現地調査で床の傾きと電気不足が判明!予算内で築古物件を「安全なバク転教室」に変えたプロの技術とは
施工前の課題
- 物件の床に傾きがあり、水平に整えようとすると入口側で床の高さを15cmほど上げる必要があった
- インフラ面での課題があった(電気容量の不足や動力が引き込まれていないこと、電線が地中に埋まっているため工事完了までに時間がかかることなど)
- 下駄箱の造作やミラーの全面張りなど理想を積み上げた結果、当初の見積もりが予算を上回り、こだわりを維持しながらコストを削る必要があった
実施した取り組みと効果
- 玄関から奥まで全面にわたってコンクリートを一から打ち直す床上げ工事を実施し、靴脱ぎスペースの段差処理も含めフロア全体を水平に仕上げた
- 現地調査の段階で課題を洗い出し、電力会社に毎日朝・夕方の2回交渉し続けることで当初の予定より大幅に前倒して動力を引き込めることになった
- 優先順位を整理して鏡のセルフ施工などでコストを削減し、ファサード(正面の外観)と床の施工に予算を集中投資することで外観のクオリティを維持した
今回ご紹介する東京・江戸川橋の「バクトレ新宿江戸川橋店」様の事例では、現地調査の際に床の傾きや、電気設備に問題があることが判明しました。課題をどう乗り越え、理想のスタジオを実現したのかを追っていきます。
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エムトラスト代表
高橋
16歳で大工の道へ入り、建築・内装業界に従事して20年以上のキャリアを持つ。「母に家をプレゼントしたい」という想いから起業し、現在は年間500件以上の店舗・オフィス施工を手掛ける。
店舗・オフィス開業に役立つノウハウを包み隠さず発信するYouTube「内装工事ちゃんねる」を開設。専門用語を使わない施主目線の解説が、多くの経営者から支持されている。「どうすれば実現できるか」を常に問い続けるのが信条。
目次
バクトレ新宿江戸川橋店様について

ーまずは、こちらの教室について教えていただけますか?
はい。ここはフランチャイズで展開しているバク転教室の江戸川橋店です。バク転を習得したい方なら、年齢や性別を問わず誰でも歓迎しています。新宿区の江戸川橋駅から徒歩圏内の好立地を活かして、多くの人にバク転の楽しさを体験してもらいたいと思っています。
ご依頼をいただいたのは2024年6月頃で、まず現地調査からスタートしました。その後、9月初旬に着工し、10月にオープンという、依頼からオープンまで約4ヵ月のプロジェクトでした。
【店舗情報】
・業態:バク宙教室を併設したパーソナルジム(フランチャイズ)
・物件状態:シャッターとコンクリート床のみのスケルトン
・広さ:22坪
・所在地:東京都新宿区
工事前に抱えていた3つの課題

―オープン前の現地調査の段階では、いくつか懸念点があったとお聞きしました。当時の状況を教えていただけますか?
現地調査を終えた段階で、大きく3つの課題が浮かび上がりました。建物自体がかなり古く、元々用意されている設備が小さかったり、老朽化していたりするケースでは、新しい物件よりも課題が多く出てくることがあります。今回もまさにそのような物件でした。
課題1.目に見えにくい床の傾き
―現地調査で、この物件ならではの問題も見つかったとお聞きしました。
はい。最初に直面したのが、床の水平性の問題でした。現場で確認すると奥と手前で勾配が大きく異なっており、水平に整えようとすると入口側で床の高さを15cmほど持ち上げる必要がありました。内見時に床の傾きを感じたら要注意です。上げ直し工事が必要になる可能性が高く、内装工事の予算に組み込んでおく必要があります。
課題2.インフラ設備の申請とスケジュール問題

—工事期間中に、もう一つ大きな課題があったそうですね。
現地調査の段階で、電気設備に関して2つの問題が見つかりました。1つは、使える電気の容量が小さく、そのままでは必要な設備を動かせないため、電力会社に申請して容量を変更しなければならないこと。もう1つは、業務用エアコンを動かすには一般的に使われている電力とは別の動力が必要なのですが、それが引き込まれていなかったことです。
さらに、この物件は電線が地中に埋まっている「地中埋設」エリアでした。通常の電柱からの引き込みと比べて、申請から工事完了までに時間がかかります。
動力の引き込みがオープン日に間に合わないことが途中で判明して、正直かなり焦りました。
課題3.予算とこだわりの取捨選択
—予算内で理想を実現することはできたのでしょうか?
最初のプランでは、下駄箱の造作やミラーの全面張りなど、理想をしっかり盛り込んだ内容でのご提案でした。山本様の予算感は500万円程度とお伺いしていたのですが、正直なところ最初は私のほうで盛り込みすぎてしまった部分もありました。「どこに予算をかけるべきか」「削っても仕上がりに影響しない部分はないか」を山本様と一緒に整理しながら、予算内に収めるためのご提案を重ねていきました。
エムトラストに依頼した決め手

—内装業者は他にも検討されていたと思いますが、なぜエムトラストを選ばれたのでしょうか?
一番は、説明や提案が丁寧だったことですね。あとレスポンスが早かった。他の業者さんは対応が遅くて、1ヵ月経っても見積もりが出てこないところもあり、それはもう論外でした。
ありがとうございます。この業界は意外と連絡が遅い業者も多いのが実情です。開業準備中のオーナー様にとって、業者からの返信が来ないのはそれだけでストレスになりますし、意思決定の遅れにも直結します。私たちは迅速な対応を一番大切にしています。
以前に別の店舗で内装をお願いした業者さんは、最初に要望を伝えたらそのまま完成まで打ち合わせなしでゴールしてしまうスタイルでした。エムトラストさんは節目ごとにしっかり確認を重ねてくれたので、安心感を持って進められました。
課題を解決した3つのポイント

—それぞれの課題に対して、具体的にどのような対応をされたのでしょうか?
現地調査で洗い出した3つの課題に対して、それぞれ下記のアプローチで解決しました。
ポイント1.コンクリートを一から打ち直し、水平な床を実現
—床の傾き問題は、具体的にどのように解決されたのでしょうか?
バク転教室という業態の特性上、跳んだり跳ねたりする動作が多いため、床の水平性と安全性の確保は絶対に妥協できない部分でした。そのため既存のコンクリートをそのまま使うのではなく、玄関から奥まで全面にわたってコンクリートを一から打ち直す床上げ工事を実施しました。
靴脱ぎスペースの段差処理も含め、フロア全体を安全に使いやすく仕上げています。物件を内見する段階で床の傾きに気付いた場合は、こうした工事が必要になりますので、内装工事の予算に組み込んでおくことをおすすめします。
ポイント2.毎日の粘り強い交渉で動力の引き込み時期を前倒し
—懸案だった動力の問題は、最終的にどのように対処されたのでしょうか?
東京電力に毎日朝と夕方の2回電話をして交渉を続けました。オープン日には間に合いませんでしたが、「現在の設計状況はどうなっていますか」「日程の調整はどこまで進んでいますか」と粘り強く確認し続けたことで、動力の引き込み時期が当初の予定より大幅に前倒しできたんです。
間に合わなかったのは残念でしたが、高橋さんが毎日動いてくれているのを知っていたので、納得感を持ってオープンを迎えられました。10月だったのでクーラーが動かなくても問題のない時期だったのは不幸中の幸いでしたね。
業務用の機器を使用するために動力を必要とする場合は、物件の現地調査の段階で地中埋設かどうかを必ず確認しています。電柱が目の前に立っているかどうかも、見落としがちですが重要なチェック項目です。申請は内装着工の2ヵ月以上前を目安に動き出すことをおすすめしています。
なお、動力の申請は電力会社への届け出が必要であり、基本的にはオーナー側が行う手続きです。エムトラストからは「早めに動いてほしい」という情報提供と、東京電力との日程交渉のサポートを行いました。
ポイント3.予算の「引き算設計」で、こだわりを最大限に実現
—予算と理想のギャップは、最終的にどのように解消されたのでしょうか?
「どこに予算をかけるべきか」「削っても仕上がりに影響しないのはどこか」を山本様と一緒に整理していきました。内装工事では、お客様が最初に目にするファサード(外観)と、安全に関わる床の施工は絶対に妥協できない部分です。一方で、鏡の取り付けのように、オーナー様ご自身でも施工できる作業はセルフで行っていただくことで、コストを抑えられました。
【用語解説】
ファサード:建物の正面外観のこと。店舗においては看板・ガラス・扉などを含む「顔」にあたる部分を指す。通行人が最初に目にする場所であるため、集客力に直結する重要な要素のひとつ。

鏡は自分で貼ることにして、その予算をガラスサッシや床の施工に回しました。「プロにしかできないところ」と「自分たちでできるところ」を明確にしてもらえたので、納得しながら判断できました。
これから内装工事を依頼する方へのメッセージ

—最後に、これから店舗やオフィスの内装を考えている経営者の方へメッセージをお願いします。
物件を決める前に、一度プロに現地を見てもらうことを強くおすすめします。今回のように電気設備や床の状態といった問題は、内見だけでは気付きにくいものです。そして業者選びでは、レスポンスの早い会社を選ぶことが、事業をスムーズに進めるうえで大切だと実感しました。
千葉・東京エリアであれば、毎月5社限定で物件の現地調査を無料で承っています。物件を決める前の段階でも、まずはお気軽にご相談ください。
—今回の内装に点数をつけていただくとしたら何点でしょうか?
88点です。残りの12点は、電気申請のタイミングが遅れてしまった点と、工期のバッファ(遅延リスクに備えて工期を長く見積もること)が少し長く感じた点ですね。電気申請の遅れは自分にも責任があると感じています。次に出店する機会があればまた高橋さんにお願いしたいですし、知り合いにも「エムトラストさんが良かったから、頼むならここを紹介するよ」と、すでに伝えています。
ありがとうございます。バッファについては、塗装中に雨が続いてしまうなど予測できない工程遅延に備えるためのものです。今後はより山本様のご希望に沿えるよう工夫してまいります。
「レスポンスが早い」「提案が丁寧」当たり前を徹底する業者が、内装工事の満足度を決める

問い合わせへの対応が迅速か、予算に対して誠実な提案をしてくれるかなどの丁寧なコミュニケーションが、最終的な満足度を大きく左右します。
シャッターだけだった物件が、通りでひときわ目立つガラス張りのスタジオへと生まれ変わった背景には、綿密な打ち合わせと予算調整、そして現場で生じた課題への粘り強い対応がありました。山本様が「次の出店でもまたお願いしたい」「周りにもすでに紹介している」と語るのは、こうした積み重ねがあったからこそだと思います。
店舗・オフィスの内装工事を検討されている方は、まずエムトラストへお気軽にご相談ください。物件の現地調査から他社見積もりの診断まで、開業に関わるあらゆるご相談に対応しています。
※私が直接対応するため【毎月限定5社】とさせていただいております。
本記事の内容は2026年4月時点の情報です。






