「商業施設出店で工期1週間」も「居抜きなのに設備全替え」も怖くない!焼肉店2店舗の内装工事で使ったプロの解決策
施工前の課題
- 商業施設特有のルールや工程の遅れにより、実質の工期が極めて短かった
- 工事完了後に内装管理室から「ダクトはNGです」と言われるなど、想定外のトラブルが発生した
- 飲食店の居抜き物件だったが業態が異なるため、設備をほぼ全替えする必要があった
- 1.限られた坪数・2.大型店舗のそれぞれで、席数と居心地を両立するレイアウト設計が求められた
実施した取り組みと効果
- 計画段階から早期に関わることで、タイトな工期でもスムーズな施工を実現した
- 内装管理室との交渉を理論立てて行い、不要なコスト負担を回避した
- 業態の違いを正確に見極めたうえで設備を全替えし、焼肉屋として最適な空調・配管設計を実現した
- 天井換気ロースターややぐら構造など、コンセプトに合った設計の工夫で理想の空間を実現した
今回は、エムトラストが実際に手がけた焼肉屋2店舗の施工事例をもとに、焼肉屋ならではの内装工事の難しさとその解決策をご紹介します。
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エムトラスト代表
高橋
16歳で大工の道へ入り、建築・内装業界に従事して20年以上のキャリアを持つ。「母に家をプレゼントしたい」という想いから起業し、現在は年間500件以上の店舗・オフィス施工を手掛ける。
店舗・オフィス開業に役立つノウハウを包み隠さず発信するYouTube「内装工事ちゃんねる」を開設。専門用語を使わない施主目線の解説が、多くの経営者から支持されている。「どうすれば実現できるか」を常に問い続けるのが信条。
目次
「商業施設出店で工期1週間」「居抜きなのにほぼ全替え」でも諦めない!焼肉屋2店舗の施工事例

今日は、エムトラストが実際に施工した焼肉屋さんを2店舗ご紹介します。1店舗目は東京・人形町の商業施設に入るコンパクトな横丁スタイルのお店、2店舗目は千葉県の大型店舗です。
どちらも一筋縄ではいかない難しい物件でしたが、設計の工夫と現場での粘り強い対応で、それぞれのオーナー様の理想を形にすることができました。
【施工事例1】商業施設の厳しいルールと11坪の限界に挑んだ「焼肉 MEAT BANK.jp」

1店舗目にご紹介するのは、東京・人形町にある「焼肉 MEAT BANK.jp」さんです。ホテルで見かけるような高級感のある焼肉をもっと身近に楽しめるお店にする。そんなコンセプトで、横丁スタイルの焼肉店を作りました。
【店舗情報】
店名:焼肉 MEAT BANK.jp
所在地:東京都中央区人形町
業態:焼肉(横丁スタイル)
坪数:11坪
席数:28席
工事費:約400万円(C工事分)
工期:約1週間
工事前に抱えていた3つの課題

この物件には、大きく3つの課題がありました。
課題1.商業施設特有のルールで、実質の工期が1週間しかなかった
このビルは1階から5階まで全フロアが飲食店で、1フロアに最大3〜4店舗が同時に入居する大型商業施設です。私がこのプロジェクトに最初に関わったのは工事の1年〜1年半前。新築ビルの計画段階から入り、工事区分の取り決めや設計の調整を重ねてきました。
【用語解説】
工事区分(A工事・B工事・C工事):商業施設などでのテナント工事は「誰が発注し、誰が費用を負担するか」によって区分が分かれる。
1つの店舗内でも、施工場所によってA・B・C工事に分かれる。
例えば今回の焼肉屋の場合:
A工事:ビルの躯体や共用部分(外壁、エントランス、共用廊下など)→ ビルオーナーが発注・負担
B工事:テナント内の基本設備(電気・水道の引き込み、空調の配管など)→ ビルオーナー発注でテナント負担
C工事:テナント内の内装(壁紙、床、厨房設備など)→ テナントが発注・負担
つまり、1つの店舗を完成させるには、A工事→B工事→C工事の順番で進める必要がある。
私たちはC工事を担当していました。ところがA工事・B工事がスケジュール通りに進まず、実際に工事に入れたのはわずか1週間ほど。しかもすべてのテナントが同時に工事を実施したため、搬入できる時間は「朝8時から9時まで」と厳格に決められていました。
エレベーターの使用も同様です。1週間という制約のなかで工事を完成させなければならないプレッシャーは、相当なものでした。
課題2.工事完了後に「ダクトはNGです」と内装管理室から言われた
商業施設には「内装管理室」という部署があり、テナントの内装業者に対して指示や承認を担っています。私たちは事前に図面を提出してチェックを受けていたのですが、ダクトの設置が完了した後になって「規格的にNGです」と言われてしまいました。
図面段階で、商業施設側のチェックが漏れていたことが原因です。こういうことは、関わる人数が多い大型施設ほど起きやすいので注意が必要です。
課題3.11坪・28席の限られた空間で「横丁×別空間」を実現したかった
このお店のコンセプトは「横丁スタイルでありながら、別空間のような特別感がある焼肉店」です。11坪・28席というコンパクトな空間で、大衆的な雰囲気と非日常感を両立させる必要がありました。
真ん中に厨房を置き、カウンターとテーブル席を組み合わせるレイアウトのため、スタッフの動線もかなり限られます。
ご依頼内容を叶えるための3つのポイント

では実際にどのような工事が行われたのか、ご依頼内容を叶えるための3つのポイントをご紹介します。
1.計画段階から1年以上関わり、タイトな工期を乗り越えた
1週間という短い工期でも工事を完了できたのは、1年以上前から計画に関わっていたからです。設計の段階から「どこに何を配置するか」「どの工事を誰が担当するか」を詳細に詰めていたため、実際の施工をスムーズに進めることができました。搬入時間やエレベーターの使用ルールも事前に把握していたので、当日の段取りにも迷いがありませんでした。
2.「変えられない理由」を理論立てて説明しダクト変更を回避した
「ダクトがNG」と言われた場面でも、すぐには変更しませんでした。変更に応じてしまうとオーナー様の費用負担が大きくなってしまうからです。「私たちは事前に図面を提出してチェックを受けている。変更が必要なら、その理由を明確にしてほしい」と、理論立てて説明しました。結果として、ダクトはそのまま設置することができました。こういう交渉ができるかどうかも、内装業者を選ぶ際の重要なポイントだと思っています。
3.天井換気ロースターと木質素材で「横丁×別空間」を実現した

11坪という限られた空間に28席を確保しながら「別空間」の雰囲気を出すために、素材にこだわりました。カウンターには木材を使い、無機質系な素材を組み合わせることで、横丁スタイルのなかに洗練された空気感を演出しています。
ロースターは天井から換気するタイプを採用しました。床下に配管を設ける必要がないため、コストを大幅に抑えられます。天井換気と床下換気では、規模によっては数百万円単位のコスト差が生まれることもあります。高級感を重視するお店であれば床下タイプのほうがすっきりした空間になりますが、気軽に立ち寄れるカジュアルなお店であれば天井換気タイプで十分です。お店のコンセプトに合わせて選ぶことが大切です。
今回ご紹介した以外にも、エムトラストではさまざまな業態・物件での施工事例を手掛けています。「自分のお店に近い事例を見てみたい」という方は、未公開の施工事例写真を多数収録したコンプリート版カタログを公式LINEから無料でダウンロードできます。ぜひお手元でご覧ください。

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【施工事例2】居抜き・64席・可動式仕切り。難題だらけの大型焼肉店「焼肉もとび」

2店舗目にご紹介するのは、千葉県佐倉市にある「焼肉もとび」さんです。「焼肉をもっと身近にしたい」というコンセプトのもと、ランチで500〜600円台から本格的な焼肉を提供するフランチャイズ店です。オーナー様と最初にお話ししたとき、あまりの熱量に圧倒されて「この人と一緒にお店を作りたい」と直感しました。
【店舗情報】
店名:焼肉もとび
所在地:千葉県(佐倉店)
業態:焼肉(チェーン)
坪数:40〜45坪
席数:64席
工事費:約1,300万円(外の看板や空調を含めて総額約1,500万円)
工期:3週間〜1ヵ月
前テナント:いきなりステーキ(居抜き活用)
工事前に抱えていた2つの課題

この物件にも、大きく2つの課題がありました。
課題1.ステーキ店と焼肉店では必要なインフラが違う
この物件は「いきなりステーキ」の居抜きでした。ステーキと焼肉は一見似ているようで、設備面では大きく異なります。ステーキはキッチンで調理して完成品を提供しますが、焼肉はお客様が席で直接火を使います。そのため、各テーブルへのガス配管と席ごとの換気・空調計画が変わってくるんです。ファンなど一部の設備は流用できましたが、内装はほぼ全面的に作り替えることになりました。
課題2.効率的な客席稼働と半個室感を両立する空間が欲しい
この物件は45坪と広く、四角いきれいな間取りです。ただ、焼肉店はランチの少人数客から夜のファミリー層まで、来店人数が幅広いため「1つのテーブルをいかに効率よく稼働させるか」が経営上の大きなポイントになります。
例えば、6人掛けのテーブルに2名様をご案内した際、隣の視線が気にならないような「半個室感」をどう作るか。一般的にはロールスクリーンを仕切りに使いますが、焼肉店は熱や火を扱うため、安全面や清掃面で課題があります。
「プライベート感を守りつつ、多種多様な人数構成に柔軟に対応できる仕掛け」を、いかに内装デザインに落とし込むかが、今回の設計で最も頭を使った部分でした。
ご依頼内容を叶えるための2つのポイント

では実際にどのような工事が行われたのか、ご依頼内容を叶えるための2つのポイントをご紹介します。
1.空調を焼肉仕様に全替えし、ガス配管もお客様の目に触れない設計にした

空調機を焼肉屋仕様に全面入れ替えしました。各テーブルにロースターを設置するための換気計画を一から設計し直し、ガスの配管はお客様の目に触れない位置にどう持ってくるかを細かく検討しました。
居抜き物件だからといって「そのまま使える」と思い込まず、業態の違いをしっかり見極めることが、後からの追加工事を防ぐことにつながります。
2.「やぐら」を組んで可動式仕切り壁を実現した

今回「やぐら」を使った空間設計をしました。木の柱と梁でやぐら状の構造物を作り、そこをくぐり抜けた先に席が広がるレイアウトです。このやぐらの柱に仕切り壁を吊り下げることで、上げ下げできる半個室空間を実現しています。ロールスクリーンと違い熱に強く、見た目にも温かみがある。しかも背もたれの壁としても機能するため、席の快適性も高まります。
焼肉店の内装は「専門知識」があるかどうかで、結果が大きく変わる

焼肉店の内装には、強力な排気計画やガス容量の確保、熱源を考慮した客席レイアウトなど、焼肉店特有の技術的な専門知識が不可欠です。物件を契約した後に「想定外の追加費用」や「希望の席数が確保できない」といったトラブルが発覚し、後悔するケースは少なくありません。
だからこそ、エムトラストでは「実績豊富なプロに相談」することをおすすめしています。早い段階で私たちが並走することで、技術的なリスクを排除し、限られた予算を最大限に活かすことが可能です。
オーナー様の「理想の店を作りたい」という熱意を、私たちは確かな技術と提案力で形にします。ぜひお気軽にご相談ください。
※私が直接対応するため【毎月限定5社】とさせていただいております。
本記事の内容は2026年3月時点の情報です。






