予算を抑えながら「高級感」はつくれるのか?日本料理店で実現した内装の工夫とは

施工前の課題

  • 既存のカウンターでは空間に重厚感や広がりを出すのが難しく、作り直すと予算オーバーになってしまう
  • ワンオペでの営業に適した動線が確保できておらず、動きやすさと提供のしやすさの両立が難しい状態だった
  • 入り口から厨房が見えてしまうため、非日常感のある空間づくりが難しかった

実施した取り組みと効果

  • 一から作り直すのではなく、既存のカウンターと造作を組み合わせることでコストを抑え、予算内に収めた
  • カウンターに取り外し可能なまな板台を設け、用途に応じて使い分けることで、作業効率を高めた
  • 壁を設けて厨房を見えないようにし、のれんで視線をコントロールすることで特別感を演出した

エムトラスト代表
高橋

16歳で大工の道へ入り、建築・内装業界に従事して20年以上のキャリアを持つ。「母に家をプレゼントしたい」という想いから起業し、現在は年間500件以上の店舗・オフィス施工を手掛ける。
店舗・オフィス開業に役立つノウハウを包み隠さず発信するYouTube「内装工事ちゃんねる」を開設。専門用語を使わない施主目線の解説が、多くの経営者から支持されている。「どうすれば実現できるか」を常に問い続けるのが信条。

ー今回、内装工事を担当された「お寅」様について、ご紹介いただけますか?

高橋代表(以下、高橋):「お寅」様は、西麻布に新しくオープンした日本料理店です。オーナーの大浜様は、広島の調理専門学校を卒業後、上京して日本料理店で7年間修業を積まれたのち、独立開業されることになりました。

ー西麻布での開業となると、内装にもこだわりがありそうですね。

事前に「料理が美しく見える空間づくり」をご要望いただいていたため、その点も踏まえてご提案しました。今回は居抜き物件だったので、使える部分はうまく活用しながら、和モダンな日本料理店へと改装していきました。

【店舗情報】
・業態:日本料理店
・物件状態:居抜き
・所在地:東京都港区西麻布

ー居抜き物件を活用するうえで、何か課題はありましたか?

前のテナントも和食店だったため、厨房や内装の一部はそのまま使える状態でした。ただ理想の空間をつくるには、厨房のカウンターや入り口付近を工夫する必要がありました。そこで課題となった点は、次の3つです。

  1. カウンターを一から作り直すと予算オーバーになる
  2. ほぼワンオペで回すための動線が確保できていなかった
  3. 入り口を開けた瞬間に厨房が丸見えになってしまう

課題1.課題1.カウンターを一から作り直すと予算オーバーになる

ーカウンターにはどのような課題があったのでしょうか?

既存のカウンターはそのまま使える状態ではあったものの、日本料理店としての雰囲気にはやや合っていませんでした。重厚感や広がりのある空間にするために、新しくカウンターをつくり直す方向で検討しましたが、檜などを使ったカウンターを一からつくり直すとコストが膨らみ、予算オーバーになってしまいます。仕上がりとのバランスをどう取るかが課題でした。

課題2.ほぼワンオペで回すための動線が確保できていなかった

ー動線の面では、どのような課題がありましたか?

ほぼワンオペでお店を回される予定だったため、お客様に料理を提供しやすいカウンターと仕込みがしやすい厨房内のスペース、その両方を確保する必要がありました。また、カウンターはお客様が長く過ごす場所でもあるため、見た目の印象にも配慮しなければいけません。限られた空間のなかで、「料理が美しく見える空間づくり」と「動きやすさ」をどう両立させるかが課題でした。

課題3.入り口を開けた瞬間に厨房が丸見えになってしまう

ー空間づくりの面では、どのような課題がありましたか?

もとの物件は、入り口を開けると厨房エリアがそのまま見えてしまう構造でした。「非日常を感じられる空間」を演出するうえで、この点は課題だったため、入り口まわりの設計を見直しました。
特に西麻布という土地柄もあり、お客様が期待する空気感や特別感は大切にしたいと考えていたんです。

ー数ある内装業者のなかで、なぜエムトラストを選ばれたのですか?

最初はインターネットで内装業者を探して、施工事例を見ながら何社か問い合わせをしました。全部で4社ほどお話を聞かせていただいたと思います。自分の考えや日本料理のイメージに合う施工ができるか、そして安心して任せられる会社かを重視して検討しました。

ー実際に比較してみて、決め手になった理由は何でしたか?

一番は、高橋社長の人柄です。最初の面談で「できること・できないこと」をはっきり伝えてくださったんです。できないことも、ただ断るのではなく「こういう方法ならできます」と具体的な提案をその場で出してくれて、この方なら信用できると思いました

ありがとうございます。内装工事では「こうしたい」というイメージがあっても、予算内でどこまでできるのか、予算オーバーにならないかと不安に感じられる方も多いと思います。だからこそ、最初の段階で「実現できる範囲」を正直にお伝えし、具体的なご提案をさせていただいています。

もうひとつの決め手はレスポンスの速さです。「こうしたいけど、どうすればいいですか」といった質問にも、すぐに具体的な回答を返してくれました。仕事をしながら開業準備を進めていたので、夜に現場に寄って相談することも多かったのですが、その時もスタッフの方がすぐに対応してくださったので、安心感がありました。

返信や対応が遅いと不安になりますよね。その不安を一つひとつ解消していく努力をすることが、私たちの役割だと考えています。少しでも安心して進めていただけるよう、チーム全体でスピード感を大切にしていました。

ー工事前にあった3つの課題を、どのように解決していったのでしょうか?

回の工事では、既存の設備をできるだけ活かしながら、どのように理想の空間を実現するかがポイントでした。すべてを新しく作り直せば理想に近づきますが、そのぶんコストも膨らみます。「どこを残して、どこに手をかけるか」の判断が必要でした。
そのために重視したのは、次の3つです。

  1. 既存カウンターを活かし、檜の造作で見た目とコストを両立
  2. まな板台部分を着脱式にしてワンオペの動線を確保
  3. 開口部を壁で塞ぎ、のれんをくぐる動線に変更

ポイント1.既存カウンターを活かし、檜の造作で見た目とコストを両立

ーカウンターのコスト問題は、どのように解決されたのでしょうか?

既存のカウンターをすべて撤去するのではなく、その上から檜で造作して仕上げる方法を採用しました。この方法であれば、コストを抑えながら重厚感を出すことができます。
また、もともとコンパクトだったカウンターに奥行きを持たせることで、空間全体を広く見せることも意識しました。
カウンターはお店の印象を大きく左右しますので、空間の質を落とさないために、この方法をご提案しました。

ポイント2.まな板台部分を着脱式にしてワンオペの動線を確保

ー動線の問題は、どのように解決したのでしょうか。

厨房側のまな板台とカウンターの高さを揃えて、ひと続きに見えるよう設計しました。そうすることによって、カウンター全体に奥行きが生まれ、実際よりも広く見える効果があります。さらに、このまな板台部分は着脱式になっていて、営業中はカウンターとして使い、仕込みのときは外して厨房内の動線を確保できるようにしました。

見た目の美しさだけでなく、一人で営業しやすいことも大切です。ワンオペだからこそ、日々の使いやすさまで考えた設計を意識しました。

ポイント3.開口部を壁で塞ぎ、のれんをくぐる動線に変更

ー「入り口を開けた瞬間に厨房が見えてしまう」という問題は、どのように解決したのでしょうか。

厨房が見えて雰囲気を損なわないように、入り口すぐのところに壁を作って、中が見えないようにしました。その先にはのれんを設け、お客様がくぐった瞬間に店内の空間が広がるように演出しています。目隠しとしての役割だけでなく、「お寅様らしさ」を感じてもらえる入り口になるよう意識しました。

ー最後に、これから開業や内装工事を検討されている視聴者の方へ、アドバイスをお願いします。

初めての開業だったので、どのくらい費用がかかるのか、どこまでできるのかという不安がありました。でも最初の段階で「できること・できないこと」をはっきり伝えてもらい、難しい場合には代替案を出していただいたおかげで、安心して進められるようになりました。内装業者を選ぶ際は、施工技術だけでなく、気軽に相談できる相手かどうかも判断のポイントだと思います。

ありがとうございます。初めての開業では、小さな不安が積み重なりやすいものです。私たちは限られた予算のなかで、どうすれば理想に近づけるかを一緒に考えることを大切にしています。工夫次第で理想の空間をつくることはできますので、まずはお気軽にご相談いただければと思います。

—今回の内装に点数をつけていただくとしたら何点でしょうか?

100点満点で150点です。予定通りに工事を進めていただいたことはもちろんですが、途中で「こうしたい」と追加した内容にもスピーディに対応していただき、オープンまで余裕を持って完成させてくださったので、すごく助かりました。

今回のお寅様の内装工事では、居抜き物件を活かしながら、オーナー様が思い描く理想の空間を形にしていきました。

お店の顔であるカウンターを一から作り直すのではなく、既存のものを活かしながら重厚感を演出し、作業のしやすさを考えて着脱式のまな板台を設置。さらに、入り口まわりの動線を見直し、のれんをくぐった先に広がる特別感のある空間づくりを行いました。

工事の途中で追加のご要望が出た場面でもその都度対応し、余裕を持ってオープンに間に合わせることができました。大浜様からいただいた「150点」という評価は、迅速で丁寧な対応が信頼につながった結果だと感じています。

予算や条件に制約があっても「できない」で終わらせず、プロとして最善のご提案をさせていただくことが私たちの仕事です。居抜き物件の活用や、限られた予算のなかで理想のお店を実現したいとお考えの方は、まずお気軽にエムトラストへご相談ください。

本記事の内容は2026年5月時点の情報です。